主に宣伝広告目的で、ユーザの同意なしに勝手に送られてくる電子メールのことを「スパムメール」といいます。

　この「スパム」とは「 SPAM 」のことを意味し、Hormel Foods社の味付け豚肉缶詰の商品名のことをいいます。イギリスのコメディー番組「Monty Python’s Flying Circus」(モンティ・パイソンの空飛ぶサーカス)の有名なコントに次のようなものがあります。

　レストランで夫婦が食事をしようとするのですが、メニューには SPAM が入ったものしかありませんでした。ウェイトレスとスパムのメニューについて、他にもメニューはないのかと口論していたら、後ろにいた客のバイキング達が

「スパム、スパム、大好きスパム～ステキなスパム～愛しのスパム～ワンダフル・スパム～」

と歌を歌い出し、それにかき消されて会話が続けられなくなってしまう、と言う話です。

　欲しくもないのに大量に送りつけられてくる広告メールから、このコントでしつこく連呼される「スパム」を連想したことが由来、と言われています。

　Hormel社はスパムメールを「SPAM」と呼ぶことは許容しているようですが、社名や商品名への使用は認めておらず、スパムメール対策ソフトを開発していた「SpamArrest」社がHormel社に商標権侵害で訴えられるという事件も起きています。

　広告メールのほうは小文字で「spam」と書いて区別すべきという主張もありますが、一般にはこうした区別は定着していないようです。