複数のメールアカウントの活用
個人用と会社用でメールアドレスやプロバイダなどを複数使い分けたり、業務や目的によって電子メールアドレスを使い分けたりする場合もあります。
このような場合、メールの管理を一つでできるメールソフトで、複数のメールアドレスを使い分けると便利です。
複数の電子メールアドレスを使い分ける場合、次のような2つのケースが考えられます。
- ■方法1 – 違うメールサーバを利用する場合
- メールアドレスもメールサーバも、全く違うメールアカウントを使い分けるという方法です。
2つのプロバイダのメールと1つの会社用メールを使い分けるといった場合など、それぞれ異なるメールサーバ上にメールアカウントが存在する場合です。
- ■方法2 – 同じメールサーバを利用する場合
- これは、同じメールサーバを使いながらも、まったく異なる複数の電子メールアドレスを使うという方法です。メールサーバ間でメールを転送(フォワード:Fw)して1つのメールアカウントに集中させている場合や、もともとのメールアドレスの他に、別のメールアドレスを複数定義して利用しているといった場合などです。
この方法の応用としては、違う返信用メールアドレスを使い分けたいといった場合や、自宅と会社と出先で送受信するメールサーバへの接続方法(ネットワーク環境)を切り替えて使うといった場合です。
どの場合でもメールアプリケーションの設定方法に大きな違いはありません。複数の電子メールアドレスに対して、それぞれ別のメールアカウント設定を行い、送受信するための電子メールアドレスやメールサーバなどを切り替えて使うことができます。
ただし後者の場合では、実際には1つしかメールサーバが存在しないので、メールを受信する場合は、どれか1つのアカウントでのみメールの読み出しを行うようにします。最初の接続ですべてのメールを読み出すので、2つ目以降の接続では読み出すメールはないはずです。そうしないと何度も同じメールサーバにアクセスすることになり、無駄な通信が生じます。
以下では、Outlook ExpressとOutlookを例に、複数のメールアカウントを設定する方法と、送信時にメールアドレスを使い分ける方法を説明します。
Outlook Expressにおける複数アカウントの設定
Outlook Expressで複数のメールアカウントを設定するには、「ツール」メニュー>「アカウント」から、「インターネット アカウント」ダイアログを表示させます。
「メール」タブ>「追加」>「メール」とクリックし、「インターネット ウィザード」を起動します。
- ■Outlook Expressでのメールアカウント管理ダイアログ
- 複数のメールアカウントを定義し、利用することができます。
アカウントを使い分けることで、送信するメールアドレスや利用するメールサーバを切り替えることができます。
- 定義されたメールアカウント。ここでは3つのアカウントを設定しています。
- 送信時のデフォルトのメールアカウントには「(既定)」という表示が付きます。
- 新しいメールアカウントを追加作成するには、これをクリックしてポップアップメニューから「追加」を選択します。
「インターネット ウィザード」が起動するので、必要な情報を入力します。
- アカウントの設定を変更するにはこれをクリックします。
(1)のアカウントの表示名や読み出し設定を変更するには、アカウント名をダブルクリックするか、選択して(4)をクリックします。
- 選択したアカウントをデフォルトにしたい場合は(5)をクリックします。
- メールアカウントを作成する操作自体は単純なので詳細は省略しますが、基本的には
- 「表示名(メールアドレス欄に表示される名前)」
- 「電子メールアドレス」
- 「送受信のメールサーバ」
- 「ログオンアカウントとパスワード」
を指定するだけで完了です。
- ■Outlook Expressにおけるデフォルト受信アカウントの設定
- 1つのメールサーバで複数のメールアドレスを使い分ける場合には、表示名とメールアドレスだけを変えて、メールサーバとログオン名は同じものを指定したアカウントを作成すればOKです。
しかし実際にメールを受信するアカウントは1つだけにしておきたいので、デフォルト以外のメールアカウントは、「通常は受信をしない」という設定にしておきます。
これらの対応は、無駄な通信の発生を押さえるために必須です。
- 「インターネット アカウント」ダイアログで1つアカウントを選び、右側にある「プロパティ」ボタンをクリックします。
表示されたプロパティダイアログの一番下に「メールの受信時および同期時にこのアカウントを含める」というチェックボックスがあるので、これを「オフ」にすると、送受信または受信ボタンでのチェックは省かれるようになります。
- 表示されるアカウント名。
混乱しないように、分かりやすい名前を付けておきましょう。
- メールアドレスに付けられる表示名です。
- このアカウントに設定されているメールアドレスです。
- Reply-To:用のメールアドレス・フィールドです。
ただしReply-To:の変更は偽装などの問題が多いので、避けたほうがよいです。
- これをオフにすると、通常の受信操作(「ツール」メニューの「送受信」や「すべて受信」時)では、このメールアカウントのメールサーバへのアクセスは行われなくなります。
同じメールサーバに対して複数のメールアカウントを設定している場合は、そのうちの1つだけでこのチェック・ボックスをオンにして、その他のものはすべてオフにしておけば問題ありません。
- ■不要な受信アカウントの無効化
- 1台のメールサーバで複数のメールアドレスを共有している場合は、どれか1つのメールアカウントでのみ受信操作を行えばOKです。
その他のメールアカウントでは、明示的に指定しない限り受信をしないという設定にしておきましょう。
- ■Outlook Expressでのデフォルト受信アカウントの設定
- 1つのメールサーバで複数のメールアドレスを使い分ける場合、表示名とメールアドレスだけを変え、メールサーバとログオン名は同じものを指定したアカウントを作成しましょう。
無駄な通信の発生を抑えるため、実際にメールを受信するアカウントは1つだけにしておきたいので、デフォルト以外のメールアカウントは「通常は受信をしない」という設定にします。
- 設定は、先の「インターネット アカウント」ダイアログで1つアカウントを選び、右側にある「プロパティ」ボタンをクリックします。
表示されたプロパティ・ダイアログの一番下に「メールの受信時および同期時にこのアカウントを含める」というチェック・ボックスがあるので、これをオフにします。
- ■Outlook Expressにおける送信アカウントの選択
- メールアカウントを複数定義している場合は、送信するメールアカウントを選択することにより、メールの差出人(From:フィールド)を使い分けることができます。
- メールアカウントを複数定義していると、メールの作成時にはこのフィールド(ドロップダウン・リスト)が表示され、アカウントを選択することができます。
アカウントが1つしかない場合は表示されません。
- メールアドレスとメールアカウント名が表示されるので、送信元にしたいメールアカウントを選択して送信します。